◆ 『鎌田句集「山羊の角」』
著者:鎌田 俊 発行:恵曇舎 発行日:2015年10月01日 定価:2400円

『鎌田句集「山羊の角」』(PDFダウンロード)(付録にかえて:蛇の足)

◆ 『月に結句を盗まれて』  
著者:福原悠貴 発行:文学の森 発行日:2016年2月4日 定価:2700円

糸瓜忌や月に結句を盗まれて
銀漢やいのちかたどるもののこゑ
イヴの夜の絵本を飛び出るキャデラック
春愁のキリンが空を食んでいる
歩く歩く秋の雨がきれい

◆『冷し瓜』  
著者:町田忠治 発行:能登印刷出版部 発行日:2015年1 定価:1800円

立山を盥に入れて冷し瓜
ふるさとは銀河の水尾の垂るる村
歩きつつ抜きし夏草捨てにけり
右に妻左に寒の日本海
冬の夜胸にひとつの詩を点す

◆ 『ハートを乗せて』  
著者:木下昌子 発行:日本一行詩協会 発行日:2015年11月8日 定価:2000円

卒園のハートを乗せてオムライス
清明や鼓動はいつも新しく
会いにゆく陽炎三つ越えてゆく
四階の窓から夜へしやぼん玉
アパートのどこかでシャワー巴里祭

◆ 『万緑』  
著者:片山白城 発行:文学の森 発行日:2015年12月1日 定価:3000円

つぎつぎに天をひろげて鶴帰る
胸痛きまで万緑の中に入る
まだ生きるつもりで起きる昼寝覚
鷹柱太刀のひかりとなりて消ゆ
十二月八日母は還れと言ひしのみ

             

◆ 『花に帰す』  
著者:梅津早苗 発行:文学の森 発行日:2015年9月5日 定価:2700円

秋風や父の尾骨の忽とあり
秋天やわが詩の革命はじまりぬ
枯野へと昭和がノイズたててゆく
秋さびしスープの貝の灯へひらく
漂泊や花にはじまり花に帰す

              

◆ 『父の器』  
著者:村山義一 発行:日本一行詩協会 発行日:2015年10月2日 定価:2000円

銀漢やいつかは還る父の駅
水匂ふ信濃の秋を惜しめけり
暖炉燃ゆ妻の手焼きのシュトーレン
深吉野の花の浄土に瞑るべし
かりがねや父の器を超えられず

◆『父の椅子』  
著者:鈴木季葉 発行:日本一行詩協会 発行日:2015年10月21日 定価:2700円

海女の笛天にいのちを吐きにけり
げんげげんげげんげの風に吹かれゆく
遠足や母の無い子の卵焼き
存念のいのちあかりや寒の水
夏至の日や寂と暮れゆく父の椅子

◆ 『バレンタインデー』  
著者:松永富士見 発行:日本一行詩協会 発行日:2015年2月14日 定価:2700円

干柿やロンドンは今雨だろう
虫籠を月のひかりの中に吊る
それからの全ての夏にビートルズ
枯葉舞ふそれは真つ赤なチェロケース
バレンタインデー少し残業して帰る

◆ 『帰心』  
著者:川崎陽子 発行:文学の森 発行日:2014年 定価:2000円 

地震の村小さく飛んで初雀
白梅や越後の空のかたあかり
父母の島と眞向かふ大旦
凍蝶となりて夫の傘の中
春満月鳥に帰心の生まれけり

              

◆ 『火の破片』  
著者:川越さくらこ 発行:文学の森 発行日:2014年 定価:2500円 

花つばき水のにおひの夕あかり
うすものや水のごとくに日昏れゐる
秋風や永遠を生きると海が言ふ
母の日や空の巣箱に雨が降る
花ごろも乳房に残る火の破片

              

◆ 『道潅の空』  
著者:末益手瑠緒 発行:文学の森 発行日:2014年 定価:2300円 

重低音枯蟷螂に聞かせけり
深川飯三月あかき隅田川
極月や買って来るぞと帯締めて
ヴィーナスの永久の曲線セーヌ涼し
道潅の空を統べをる夏欅

◆ 『何か言ったか』 
著者:山口奉子 発行:日本一行詩協会 発行日:2007年9月19日

見えるものを使って、見えないものを作る
   何か言つたか死に際の油蝉 山口奉子
一行詩の世界で中心をなすのは、一、イメージの力。二、感性の力。そして、何よりも重要視したのは、三、自然体であること。 自然体とは、心や精神が自由であること。言葉が自由であること。 山口奉子は自由な心で自由な言葉で詩を詠んでいる。(跋 角川春樹)

◆ 『まぶしいぜ』 
著者:長谷川眞理子 発行:日本一行詩協会 発行日:2007年9月19日

耳を澄ませば聞こえるやもしれぬこの宇宙の振動
    鯨から鯨の生まるまぶしいぜ 長谷川眞理子
現在の「河」は、さまざまな個性を持つ一行詩人たちの「梁山泊」とも宇宙ともいえる。その中でも、際立って個性的な一行詩を発表しているのが長谷川眞理子である。(跋 角川春樹)

◆ 『晩夏のカクテル』 
著者:角川春樹 発売:角川春樹事務所 発行:2007年10月27日

カクテルが紡ぐ珠玉の一行詩集
   カクテルの塩舐めてゐる晩夏かな 角川春樹
ある日、目にしたセピア色の一枚の写真。そのセピア色の写真を見た時、私の頭の中にフラッシュが閃いた(あとがき)。 いくつもの不思議なドラマが重なって誕生した一行詩集。

◆ 『飢餓海峡』 
著者:角川春樹 発売:思潮社 発行:2007年10月1日

魂の一行詩、第三弾!

刑務所の中で、「神とは何か?」「仏とは何か?」、あるいは「人間はどこから来て、どこへ還ってゆくのか?」という疑問を絶えず模索し続けてきた(あとがき)。魂の故郷である銀河を一人彷徨しながら、おのれのカルマを鋭く刻みつける。「飢餓海峡」「家族の肖像」「いま過ぎしもの」三部からなる書下ろし一行詩集。

◆ 『叛逆の十七文字』 
著者:角川春樹 発売:思潮社 発行:2007年10月1日

共振れの魂がここに

「魂の一行詩」とは何か。提唱者角川春樹が、一行詩運動の拠点となる結社「河」での作品批評を中心にその精神と説く。魂と言葉の巨人、角川春樹の自然体な人柄にいつのまにか惹きこまれる魅力溢れる評論エッセイ。

◆ 『朝日のあたる家』 
著者:角川春樹 発売:思潮社 発行:2006年10月1日

魂の一行詩、第二弾!

わたしが題名を歌舞伎町とせず、「朝日のあたる家」にしたのは、ノスタルジーばかりでなく、詩としての世界が拡がるからである(あとがき)。「花冷」「詩歌立つ」「放蕩」「朝日のあたる家」「歌舞伎町」五部からなる、『角川家の戦後』に続く書下ろし詩集。

◆ 『角川家の戦後』 
著者:角川春樹 発売:思潮社 発行:2006年5月25日

詩の出版社「思潮社」から魂の一行詩、第一弾!(第7回山本健吉文学賞)

「魂の一行詩」とは、日本文化の根源にある、「いのち」と「たましひ」を詠う現代抒情詩のことである(あとがき)。反骨の魂にあふれる切迫した情動が、自身の背負いつづけたカルマを一行に刻む。「叛逆」「角川家の戦後」「定年」「海鼠」「猿田彦」五部に込められた、死者への想い。かぎりない生への意志を屹立した一行に突き刺す渾身の書。